改定入管法
中長期在留者のための Q&A
日本語版 2011年6月

いま在留資格が、
永住者/定住者/日本人の配偶者等/永住者の配偶者等/芸術/宗教/報道/文化活動/教授/投資・経営/法律・会計事務/医療/教育/企業内転勤/技能実習/留学/研修/研究/技術/人文知識・国際業務/興行/技能/家族滞在/特定活動
となっている外国人は、2012年7月に実施される予定の改定法では、
「中長期在留者」として扱われます。


質問
  1. 外国人登録証明書がなくなるの?
  2. 在留更新とカードが入管局で一度にもらえるなら、便利になるのでは?
  3. 在留カードには何が書かれるの?
  4. 在留カードを持っていないと、どうなるの?
  5. 本人からだけでなく所属機関からも届出が必要なの?
  6. こんなにたくさんの個人情報を、法務省はどのように扱うの?
  7. 「在留資格の取り消し」って、それなに?
  8. 外国人住民票って、どんなもの?
  9. 住民票の消除って?
  10. 「みなし再入国」って?


Q1
外国人登録証明書がなくなるの?

はい、本当です。 現在の外国人登録法を廃止して、新しい在留管理制度に移行するからです。

 2009715日に公布された改定法、すなわち「改定」入管法・入管特例法・住民基本台帳法による新しい制度は、来年(2012年)7月に実施される予定です。
新しい制度では、特別永住者を除く、3カ月を超える在留資格が認められた外国人は「中長期在留者」として次のように扱われます。


表1 2012年に実施される改定法では……
現在の「外登法」 ⇒改定「入管法」「入管特例法」では ⇒改定「住基法」では
特別永住者
(在日韓国・朝鮮人、台湾人)
市区町村で
「外登証」交付
市区町村で
「特別永住者証明書」交付
市区町村で
「外国人住民票」作成
中長期在留者
(永住者、留学生など)
市区町村で
「外登証」交付
地方入管局で
「在留カード」交付
市区町村で
「外国人住民票」作成
非正規滞在者
(超過滞在者など)
市区町村で
「外登証」交付
「在留カード」は交付されない 「住民票」は作成されない
/消除される


Q2
在留更新とカードが入管局で
一度にもらえるなら、便利になるのでは?

いいえ、便利になるわけではありません。
 地方入管局で在留カードをもらったら、次は市区町村に行って、住居地を届けなければなりません。また、さまざまな変更届は14日以内に、地方入管局または市区町村でしなければなりません。

地方入管局で「在留カード」を受け取る

a 「永住者」となっている16歳以上の外国人は、7年ごと(7回目の誕生日)に地方入管局に行き、新しい在留カードを受け取らなければなりません。
b 永住者以外の「中長期在留者」は、地方入管局で在留期間の更新や在留資格の変更をすると、在留許可と同時に、在留カードを渡されます。
c 新たに日本に来て、3カ月を超えて滞在する外国人は、国際空港・海港で入国審査のとき、入国許可と同時に、在留カードを渡されます。

受け取らなかった場合の罰則

a・b・cとも、このとき在留カードを受け取ることを拒否すると、
1年以下の懲役または20万円以下の罰金 + 懲役刑が科されたら退去強制

更新を忘れた場合の罰則

aの16歳以上の永住者が、7年ごとの在留カード更新を忘れると、
1年以下の懲役または20万円以下の罰金 + 懲役刑が科されたら退去強制

市区町村で在留カードに「住居地」を記載してもらう

 地方入管局で在留カードをもらった外国人は、14日以内に、自分が住んでいる市区町村に行き、在留カードに「住居地」を記載してもらわなければなりません。

遅れた場合の罰則

 a・bとも、それをしないで14日を超えると、
20万円以下の罰金
 cの新たに入国した外国人は、住居地を定めてから、14日以内に市区町村に届けないと、
20万円以下の罰金 + それが90日を超えると、在留資格の取り消し

引っ越しをするときは市区町村に届け出る

 他の市区町村に引っ越す場合は、
1) まず、これまで住んでいた市区町村に「転出届」を出し
2) その次に、引っ越してから14日以内に、新住所の市区町村に「転入届」を出さなければなりません。
 同じ市区町村内に転居する場合も、14日以内「転居届」を出さなければなりません。

遅れた場合の罰則

14日以内に転入届・転居届を出さないと

住民基本台帳法での行政罰(5万円以下の過料)
+
入管法での刑事罰(20万円以下の罰金)
+
それが90日を超えると、入管法での在留資格の取り消し

市町村から法務省への通知

 これらの住居地情報は、市区町村から法務省に送られます。



Q3
在留カードには何が書かれるの?

名前や国籍だけではなく、日本政府にとって重要な個人情報が書かれます。

 在留カードには、氏名/生年月日/性別/国籍・地域/住居地/在留資格/在留期間とその満了日/「入国許可」とか「在留更新」など許可の種類とその許可年月日/在留カードの番号・交付年月日・有効期間満了日/就労制限の有無/資格外活動許可の有無――が書かれ、16歳以上の場合は顔写真が入ります。またICチップが付けられ、これらの情報がほぼ入るようです。


図1 「在留カード」のイメージ


Q4
在留カードを持っていないと、どうなるの?

いつも持っていないと、困ることばかりが起こります。

法律上の常時携帯

 16歳以上の外国人は、これまでと同様に、在留カードをいつも持っていなければなりません。警察官や入管職員から提示を求められたら、それを見せなければなりません.

在留カードの不提示、不携帯の場合の罰則

在留カードの提示を拒否すると、
1年以下の懲役または20万円以下の罰金 + 懲役刑が科されたら退去強制
 在留カードをそのとき持っていないと、
20万円以下の罰金
 在留カードをなくした場合、そのことに気づいた日から14日以内に地方入管局に行って、再交付の申請をしなければなりません。

在留カード再交付申請が遅れた場合の罰則

そうしないと、
1年以下の懲役または20万円以下の罰金 + 懲役刑が科されたら退去強制

日常生活上の常時携帯

 法務省は、「在留カードには、外国人の最新の重要情報が記載されているから、外国人本人が適法な在留資格を持っていることをかんたんに証明できる」と説明します。
 ということは、外国人がアパートを探すとき、携帯電話を契約するとき、銀行口座をつくるときなど、日常生活のさまざまな場面で、在留カードの提示を求められることになります。

仕事を探すときにも必要

 さらに今回の改定で、在留カードに「就労制限の有無」という項目が新設され、在留資格の種類によって、次の1),2),3)のどれかが書かれるようになります。
1) 就労制限なし
2) 就労制限あり/在留資格で認められた就労活動のみ可
3) 就労不可/就労するには資格外活動許可が必要
 これについて法務省は、「雇用主が在留カードを確認して、かんたんに判断できるようにした」と説明しています。
 また今回の改定で、雇用主が、超過滞在などで就労できる在留資格を持たない外国人であることを知らずに働かせていたことに対して、雇用主に「在留資格の有無」「就労制限の有無」を確認することを義務づけ、それに違反して外国人を働かせていた場合、雇用主に重罰を科すことができるようにしました。
 ということは、外国人はアルバイトを探すときでも、雇用主から在留カードの提示を求められ、「就労制限の有無」「資格外活動許可の有無」「在留期間満了日」などを確認されることになります。



Q5
本人からだけでなく所属機関からも
届出が必要なの?

はい、そうです。外国人は、今回の改定で、いろいろな項目での変更届出が義務づけられました。その上、本人の届出だけではなく、外国人が所属する所属機関・契約機関からも報告させるようにしました。

外国人が届けなければならない項目

 外国人は、在留カードに記載されている「氏名/生年月日/性別/国籍」に変更が生じた場合、14日以内に、地方入管局に変更届を出し、新しい在留カードをもらわなければなりません。

変更届が遅れた場合の罰則

その変更届14日以内に出さないと、
20万円以下の罰金

そのほか、表2Bにあるように、在留資格が「教授」~「技能」となっている外国人は、所属機関・契約機関の名称や所在地が変更したとき、その機関が消滅したとき、その機関から離脱・移籍したときは、14日以内に地方入管局に届けなければなりません。

変更届が遅れた場合の罰則

その変更届出が14日を超えると、
20万円以下の罰金


表2 外国人本人/所属機関/雇用主の届出項目
在留資格 A. 在留カードの記載項目*1 B. 本人の届出項目*1 C. 所属機関の届出項目*1 D. 雇用対策法による届出項目



芸術 1.氏名

2.生年月日

3.性別

4.国籍・地域

5.住居地

6.在留資格

7.在留期間/その満了日

8.在留許可の種類/その許可年月日

9.在留カードの番号/交付年月日/有効期間満了日

10.就労制限の有無/資格外活動許可の有無
- - *2 1.氏名

2.生年月日

3.性別

4.国籍

5.在留資格/資格外活動許可の有無

6.在留期限

7.住所

8.事業所の名称と所在地

9.賃金/雇用形態/職種/所定労働時間/契約期間

10.入社年月日、離職年月日
宗教
報道
文化活動
教授 1.所属機関の名称、所在地の変更

2.所属機関の消滅

3.所属機関からの離脱、移籍
1.外国人の受け入れの開始、終了

2.その他受け入れの状況
投資・経営
法律・会計事務
医療
教育
企業内転勤
技能実習
留学
研修
研究 1.契約機関の名称、所在地の変更

2.契約機関の消滅

3.契約機関からの離脱、移籍
技術
人文知識・国際業務
興行
技能
家族滞在 ●配偶者の場合:
配偶者との離婚、死別
特定活動



日本人の配偶者等 -
永住者の配偶者等
永住者 -
定住者
*1 改定入管法の規定による。
*2 改定入管法の条文では、芸術/宗教/報道/文化活動の在留資格の外国人を受け入れている所属機関も、外国人の受け入れ状況を届けなければなりませんが、法務省は、これらの在留資格は「所属機関の存在が在留資格の基礎となっていないため」届出は不要である、と言っています。

所属機関が届けなければならない項目

 200710月から実施された改定「雇用対策法」では、外国人を雇用しているすべての企業・公共団体に対して、外国人ひとりひとりの雇用状況(表2Dを厚生労働省に届けることを義務づけています。
 そして、この雇用情報は法務省に提供されます。

 さらに今回、改定入管法で、在留資格が「教授」~「特定活動」となっている外国人を受け入れている所属機関は、表2Cにあるように、外国人を受け入れたとき、終了したとき、「その他受け入れ状況」を地方入管局に届けなければなりません(ただし、雇用対策法で「外国人雇用状況報告」の届出を義務づけられている事業主は免除されます)。

留学生を受け入れている教育機関からも届け出る

 法務省の説明によれば、たとえば、留学生を受け入れている日本語学校や大学、専門学校など教育機関から、留学生の氏名/生年月日/性別/国籍/在留資格/在留期間/在留カードの番号のほか、在籍事実、退学・除籍・所在不明の事実などを届けさせる、としています。


表3 中長期在留者の義務規定と罰則規定
義務項目 違反形態 罰則規定



住居地新規・変更届 虚偽届出 1年以下の懲役または20万円以下の罰金
在留資格取消
退去強制(上記懲役に処せられたもの)
届出遅延 14日を超えると20万円以下の罰金
90日を超えると在留資格取消
身分事項変更届所属機関変更届配偶者との離婚死別届 虚偽届出 1年以下の懲役または20万円以下の罰金
退去強制(上記懲役に処せられたもの)
届出遅延 14日を超えると20万円以下の罰金




カード受領 不受領 1年以下の懲役または20万円以下の罰金
退去強制(上記懲役に処せられたもの)
カード常時携帯 不携帯 20万円以下の罰金
カード提示 提示拒否 1年以下の懲役または20万円以下の罰金
退去強制(上記懲役に処せられたもの)
カード更新 更新遅延 有効期間を超えると1年以下の懲役または20万円以下の罰金
退去強制(上記懲役に処せられたもの)
カード再交付 再交付遅延 14日を超えると1年以下の懲役または20万円以下の罰金
退去強制(上記懲役に処せられたもの)
カード再交付命令 命令不遵守 14日を超えると1年以下の懲役または20万円以下の罰金
退去強制(上記懲役に処せられたもの)
カード返納 返納遅延 14日を超えると20万円以下の罰金


Q6
こんなにたくさんの個人情報を、
法務省はどのように扱うの?

法務省は、外国人の在留期間の更新、在留資格の変更、在留資格の取り消しなどの審査にこれらの情報を活用する、と言っています。
新しい在留管理制度の下では、外国人ひとりひとりの最新で詳細な個人情報が、継続的に法務省入管局に集中されます。また、法務省はこの他に、これまでの退去強制歴など出入国履歴情報、入国・再入国した際の指紋・顔画像の個人識別情報、さらにブラックリスト情報も持っています。

広範囲な調査権

 その上、今回の改定法では、外国人の個人情報を継続的に把握するため、法務省に広範囲な事実調査権を付与しました。地方入管局は、外国人本人に対してだけではなく、関係者に対して出頭を求めて質問をしたり、文書を提出させることができます。
 また、「外国人住民票」を作成している市区町村や、外国人の所属機関に対して、追加情報を求めることができるようにしました。

個人情報を照合して審査に利用

 法務省は、このようにして集めた個人情報を照合します。
 たとえば、表2Bの本人からの情報と、表2C・Dの所属機関などからの情報とを突き合わせて、在留期間の更新、在留資格の変更、在留資格の取り消しなどの審査に利用するのです。


Q7
「在留資格の取り消し」って、それなに?

それは、外国人にとって、日本での居住と生活が奪われる手続きの第1段階となってしまいます。

在留期間の途中で、在留資格を取り上げられる

 
2004年の入管法改定によって、「在留資格の取り消し制度」が設けられました。たとえば、留学生が退学や休学などで「在留資格の条件である活動を3カ月以上おこなっていない」場合、法務省はその留学生の在留資格を取り消すことができるようになりました。
 さらに今回の改定法では、次の (5)、(7)~(10) の条文を追加し、在留期間の途中でも法務省が在留資格を取り消すことができるようにしました。

(5) 「偽りその他不正の手段により」在留特別許可、あるいは難民認定を受けたこと
(7) 「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格をもって在留する者が、「配偶者の身分を有する者としての活動」を継続して6カ月以上おこなわないで在留していること(正当な理由がある場合を除く)
(8) 入国許可を受けて「在留カード」を交付された外国人が、90日以内に、住居地の届出をしないこと(正当な理由がある場合を除く)
(9) 外国人が住居地を移動した場合、90日以内に、新住居地の届出をしないこと(正当な理由がある場合を除く)
(10) 外国人が、虚偽の住居地を届け出たこと

 このうち(7)(8)(9)の条文末尾に付けられた「正当な理由がある場合を除く」について、法務省の法案作成者たちは次のように説明しています。

(7) 日本国籍を有する子どもの親権を争って離婚調停中の場合など
(8) 上陸直後に疾病により長期入院し、かつ、代理人等に届出を依頼することもできない場合など
(9) 経済的に困窮するなどして定まった住居地を有しなくなった場合など

 これらは、「在留資格の取り消し」には該当しないとしています。しかし法務省は、これらの明確な運用基準をまだ示していません。

移住女性の在留権

 日本人の配偶者/永住者の配偶者となっている移住女性は、表2Bにあるように、配偶者と離婚したとき、死別したとき、14日以内に地方入管局へ変更届をしなければなりません。

変更届が遅れた場合の罰則

その変更届出が14日を超えると、
20万円以下の罰金。

 その上、在留期間の途中であっても、配偶者としての在留資格を取り消される条文(上記⑦)が加えられました。
 たとえば、日本人の配偶者となっている外国人女性が「6カ月以上配偶者としての活動をしていない」と法務省がみなした場合、法務省はその女性の在留資格を取り消して退去強制手続きに入ります(ただし改定法では、法務省は、在留資格の取り消しをしようとするとき、定住者・永住者への在留資格変更の「機会を与えるよう配慮しなければならない」と定めています)。

多様化している「結婚」の形態

  「結婚」の形態が多様化している現代、誰が考えても、「配偶者の身分を有する者としての活動をおこなわない」という状態を認定することは不可能です。ところが法務省は、「同居の有無、別居の場合の連絡の有無とその程度、生活費の分担の有無とその状況、別の異性との同居の有無、就労活動の有無、職種など、種々の事情を総合的に考慮して判断する」と言うのです。
 しかし現実には、法務省が「総合的に考慮して判断」した結果、「配偶者としての在留資格」更新が不許可となり、国外追放とされた不条理な事例は、これまでたくさんありました


Q8
外国人住民票って、どんなもの?

これは、日本人とほぼ同様に、住民として登録される、ということです。

  これまで市区町村は、行政サービス提供と税金徴収などのために、日本人は住民基本台帳法(住基法)によって、外国人は外国人登録法によって住民の名簿を作成してきました。

住民登録

 「住民基本台帳」(住基台帳)とは、氏名/生年月日/性別/住所などが記載された「住民票」を世帯ごとに編成したもので、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、国民年金の被保険者資格の確認、子ども手当の受給資格の確認、学齢簿の作成、生活保護、予防接種に関する事務、印鑑登録に関する事務など、行政サービスをおこなうための基本情報です。しかしこれまでは、外国人には適用されませんでした

外国人住民票

 今回の改定で、住民基本台帳に外国人も登録されることになりました。その対象には、「中長期在留者」と「特別永住者」のほか、在留カードが交付されない難民認定申請中の「仮滞在許可者」「一時庇護許可者」も含まれます。
 ただし、日本人とまったく同じ住民票になるのではなく、表4にあるように、中長期在留者の外国人住民票では、国籍/在留資格/在留期間とその満了日/在留カードの番号などが記載されます。

複数国籍世帯の場合

 新しい制度では、国際結婚の家庭など、複数国籍世帯(同じ世帯の中にいくつかの国籍がある世帯)は、1つの世帯として表示されます。たとえば日本人と外国人の家族の場合、これまでは日本人が自分の住民票をとると、パートナーである外国人の名前などの情報は備考欄に書かれていましたが、これからは一覧で記載されるようになります。


表4 日本人と中長期在留者の住民票
日本人の住民票 中長期在留者の外国人住民票
氏名
出生の年月日
男女の別
               【世帯主の場合】世帯主である旨/【世帯主でない場合】世帯主の氏名と続柄
戸籍の表示等 中長期在留者である旨
- 国籍等
- 在留カードの番号
- 在留資格
- 在留期間とその満了日
住民となった年月日 外国人住民となった年月日
住所
転入届出の年月日および従前の住所
選挙人名簿登録の旨 -(除外)
国民健康保険/後期高齢者医療/介護保険/子ども手当の受給/国民年金の資格に関する事項
米穀の配給に関する事項
住民票コード
その他政令に定める事項


Q9
住民票の消除って?

それぞれの市区町村で実際に住民として暮らしているのに、住民基本台帳から消されてしまう、ということです。

 改定「入管法」は、市区町村が外国人住民票について「記載、消除、修正したときは、ただちに法務省に通知しなければならない」と定めています。外国人住民票を「記載、消除、修正したとき」とは、外国人の家族から市区町村に出生届や死亡届が出されて住民票が作成されたり消除されたとき、あるいは外国人住民が所在不明となり市区町村が職権でその外国人の住民票を消除したときなどです。

法務省の通知にもとづく「消除」

 この条項は、改定「住民基本台帳法」に連結していて、法務省は、市区町村が作成する外国人住民票の記載事項に「変更があったこと、誤りがあることを知ったとき」は市区町村にそのことを通知する、と定めています。
 これは、住民基本台帳制度を、住民サービスの提供ではなく、外国人管理制度の一環とする規定です。



Q10
「みなし再入国」って?

今回の改定で、1年以内の出国-再入国については「再入国許可」が不要となります。.

 これまで外国人は、出身国への一時帰国や海外出張などの際に、わざわざ地方入管局に行って事前に「再入国許可」を取らなければなりませんでした(1回限りの「再入国許可」申請料金は3000円、数次有効は6000円)。
 今回の改定で外国人は、日本を出国する際、入管局の審査官に1年以内に再入国することを伝えて、「旅券」と「在留カード」を提示すればよくなりました。これが、「再入国許可とみなす」制度です。
 なお長期出張など、日本を出国して1年以上日本に戻れない場合は、これまでと同様に再入国許可を取らなければなりません。

「朝鮮」または「無国籍」と表示されていたら適用されない

 いっぽう、在留カードの国籍・地域欄に「朝鮮」あるいは「無国籍」と表示されている外国人は、「正式な旅券がない」という理由で、「みなし再入国」を認めない、と法務省は説明しています。




つまり、この改定法は……

在留期間の最長が3年から5年に、また「みなし再入国」を新設する改善点があるものの、結局のところ、「外国人いじめ法」となっています。

改定入管法は、外国人に対してさまざまな義務規定を設けて、その義務違反に対しては刑事罰、在留資格取り消しという制裁を科す――その脅しによって、外国人にたくさんの義務を履行させる、というものです。
 たとえば改定入管法では、「在留カード」を持っていれば旅券を持っていなくてもいい、と定めています。ところが、旅券を持っていても、たまたま「在留カード」を持っていなければ、「不携帯」として罰する、としています。

さらに改定入管法は、「在留カードの交付を受けた中長期在留者が、中長期在留者でなくなったとき」――たとえば日本人の配偶者となっている外国人女性が「6カ月以上配偶者としての活動をしていない」と法務省がみなし、彼女の在留資格を取り消したとき、彼女は14日以内に法務省へ「在留カード」を返納しなければなりません。その返納義務に違反した場合、20万円以下の罰金――これは、在留資格を剥奪し、さらに刑事罰の脅しで在留カードを返納させる制度です。

このような制度は、外国人ひとりひとりの尊厳と自由を奪うものです。この改定法は、日本人と外国人との「共生」を阻む悪法なのです。しかし、この日本社会に住む私たちは、次のことを想起しなければなりません。


外国人は、ひとたび締約国の領域に入ることを認められると、規約で定められた権利を享受することができる。.
外国人は、法律による平等の保護を受ける権利を有する。
権利の適用に際しては、外国人と市民の間に差別があってはならない。
.
(自由権規約委員会「一般的意見15」)